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ルーの人びと

ラオス北部の世界遺産都市ルアンパバーン以北に暮らすルーの人びとは、もともと、現中国の雲南省にあったシーサンパンナー王国から南下、移住してきました。ラオスには、12万人以上の人びとが暮らすといわれます(2005年)。ルー語は、タイ語やラオ語にも近く、また、核家族に近い家族形態であること、結婚後は妻側に居住すること、資産継承は母系的であること、熱心な上座部仏教徒であることなどが、タイ系の言語を話す多くの集団と共通しています。

ナーヤンタイ村

ナーヤンタイ村は、ルアンパバーンの北東120キロほどのところにあるナムバック郡の郊外にあります。この村のご先祖さまは、かつてルアンパバーンを王都として栄えたラオ族のランサーン王国に、馬の世話役として仕えたといわれています。人口600人に満たない小さな村ですが、行政からは「文化村」と認定されるほど、伝統文化や文化的景観が残されています。

ナーヤンタイ村の綿織物

ナーヤンタイ村の人たちにとって、というより、ルーの人にとって、綿織物はなくてはならないものです。自分たちの衣類ばかりでなく、カバン、布団なども、もともとは綿花を育てて自分たちで製糸、整経、藍などの染色、そして機織りをしてつくり出してきました。ナーヤンタイ村の女性たちがつくり出す綿織物はルアンパバーンのみならず、ラオス中でも高品質なことで知られており、近年は、首都ビエンチャンや隣国タイのバンコクでの見本市にも頻繁に出展され、紹介されています。村の世帯のじつに9割以上に機織り機が一台以上あり、日々、綿織物が生み出されているのです。

私たちのかかわり

​私たちは、もともとナーヤンタイ村の美しい文化的景観や素晴らしい民家が、できれば持続していけばこんなに素晴らしいことはないと考えていました。ただ、民家にしろ、景観にしろ、いろいろなものが急速に変わりつつあるラオスでは、保存していくのはたいへん難しいと言わざるを得ません。そこで、私たちは、この村の人びとが生み出す綿織物に着目しました。この綿織物を、ラオス国内だけでなく、広く頒布し、その利益を村に還元することで、伝統文化や文化的景観の保存を村人が自ら行えるような資金とすることを考えたのです。

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